「どこかで見たような…?」【鹿児島市 B型事業所】

今回は趣向を変えて、
パソコンにまつわるデザインの話をしてみましょう。
──フルティガーエアロ──
皆さんは「Frutiger Aero(フルティガー・エアロ)」というデザインスタイルをご存知でしょうか。
2004年〜2013年ごろに、世界中のデジタル製品や広告を包み込んでいた、
いわば“未来に対する楽観主義をビジュアル化したデザイン様式”です。
その特徴は、光沢感・自然・近未来的な都市を融合させたような、
どこかノスタルジーを感じさせる独特なビジュアルにあります。
近年ではZ世代を中心に、「レトロフューチャー」として再評価されています。
①…見た目
より詳しく見ていくと、
半透明のボタンやパネル、反射や光沢が強調されているのが特徴です。
青・緑・シアンといった、空や水を思わせる鮮やかなグラデーションが主役となり、
水滴やシャボン玉、レンズフレアなどのモチーフも頻繁に登場します。
自然とテクノロジーが融合した近未来の雰囲気をUIに落とし込んだ、
まさに「約束された未来」を体現するデザインといえるでしょう。
②…代表的なデザイン
Frutiger Aeroの特徴的なスタイルを広く知らしめたのは、
2007年に登場したWindows Aero(Windows VistaおよびWindows 7)や、
iPhoneに搭載されたiPhone OS(後のiOS)とされています。
その後、任天堂のWii UやソニーのPlayStation Vita、
AndroidやLinuxなどのGUIデザインにも、
Frutiger Aeroやそれに類似した表現が見られるようになり、
2010年代初頭にかけて大きな広がりを見せました。
(※Wikipediaなどを参考)
③…名前の由来
実はこのデザイン、当初は明確な“名前”がありませんでした。
というより、統一されていなかったと言った方が正確かもしれません。
当時は今よりも実務的でばらばらな呼び方が使われており、
「Aero系デザイン」
「グロッシー(Glossy)デザイン」
「Web 2.0デザイン」
「スキューモーフィック(Skeuomorphic)デザイン」
など、さまざまな名称で呼ばれていました。
現在のように「Frutiger Aero」と呼ばれるようになったのは比較的最近で、
2020年代に英語圏のネットコミュニティから生まれたレトロ用語です。
今ではTumblrやTikTokなどを中心に広く定着しています。
④…なぜ流行したのか?
当時はインターネットやデジタル文化が急成長していた時代で、
社会全体に「これからの未来は明るい」という空気が漂っていました。
さらに、環境問題への関心の高まりもあり、
「自然と調和する優しい未来」のイメージが、
さまざまな媒体で描かれるようになっていきます。
こうした時代背景が、Frutiger Aeroの広がりを後押ししたと考えられます。
⑤…なぜ消えたのか?
しかし2010年代に入ると、スマートフォンの普及により、
よりシンプルで洗練されたUIデザインが求められるようになります。
その結果、光沢のある華やかな表現は次第に「古い」と見なされ、
徐々に姿を消していきました。
──いかがでしたでしょうか。
近年、Z世代やデザイン好きの若者の間で再評価されている
レトロフューチャー「Frutiger Aero」。
このほかにも「dreamcore(ドリーム・コア)」や
「Liminal Space(リミナル・スペース)」といった、
さまざまなインターネット美学が存在します。
今まで知らなかったという方は、これを機にぜひ、
多様なデザインの世界に触れてみてはいかがでしょうか。
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